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債権法改正に伴い契約書をチェックすべきポイント1-1(建物賃貸借契約書)

2018.11.30

債権法部分を改正する改正民法が2020年4月1日に施行されます。
今回は、これらの改正に伴い建物賃貸借契約書の書式をチェックするポイントを説明していきます。

1.賃貸期間

今回の改正により、賃貸借期間の上限が20年から50年へと変更になったため(改正民法604条)、その点を踏まえて賃貸期間を設定することが可能です。

2.賃貸借の当然終了

【条項例】

本物件の全部が滅失その他の事由により使用することができなくなった場合、本契約は、将来に向かって効力を失うものとする。

【解説】
改正民法では、賃借物が全部滅失した場合における契約の終了について明文化されました。そのため、当然終了規定については、改正民法の規定(616条の2)に即して修正することが考えられます。

3.賃料の減額

 

【条項例】

本物件の一部が、滅失その他の事由により使用することができなくなった場合において、それが賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、賃借人はただちにその旨を賃貸人に通知し、賃貸人および賃借人は賃料の額について協議するものとする。

【解説】
改正民法では、賃貸借物件の一部が滅失その他の事由により使用収益をすることができなくなった場合には賃料が当然に減額されるとされています(改正民法611条1項)。
もっとも、紛争防止の観点からも、一部滅失があった場合は、借主が貸主に通知し賃料について協議し、適正な減額割合等を合意の上決定することが望ましいと考えられます。

また、賃料減額割合について、借主と協議して合意する他に、契約書においてあらかじめ設備故障の状況別に、賃料減額割合と免責日数(修理完了までに掛かった日数から差し引く日数)を規定することが考えられます。
(公財)日本賃貸住宅管理協会が取りまとめた「設備等の不具合による賃料減額のガイドライン」では以下のとおり記載されています。

 

【設備等の不具合による賃料減額のガイドライン】

状 況

賃料減額割合(月額)

免責日数

トイレが使えない

30%

1日

風呂が使えない

10%      

3日

水が出ない

30%

2日

エアコンが作動しない

5,000円

3日

電気が使えない

30%

2日

テレビ等通信設備が使えない

10%

3日

ガスが使えない

10%

3日

雨漏りによる利用制限

5~50%

結露・カビ等が発生した場合は50%

7日

※賃料減額割合は月額表記です。実際に減額するのは修理完了までに掛かった日数分の家賃です。
※免責日数は、故障等の連絡から修理完了まで通常必要な日数です。この分は「修理完了までに掛かった日数」から差し引きます。
なお、借主の帰責によって修理等が遅れたときは、当然その日数分も差し引くことになります。
出典:(公財)日本賃貸住宅管理協会「クレーム・トラブル対処法増補改訂版」(2009)

 

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