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司法取引制度が導入されました

2018.11.15

2018年6月1日から、日本版の司法取引制度として「証拠収集等の協力及び訴追に関する合意制度」を導入する改正刑事訴訟法が施行されました。

1. 司法取引の内容

司法取引制度とは、一定の犯罪に該当する他人の刑事事件について、被疑者・被告人が真実の供述や証拠の提出等の捜査等の協力を行うことと引き換えに、検察官が被疑者自身の刑事事件を不起訴処分とすることや、軽い求刑を行うこと等を合意する制度をいいます。

2.対象となる犯罪

司法取引制度の対象となる犯罪は、改正刑事訴訟法350条の2第2項とこれを受けた政令(刑事訴訟法第三百五十条の二第二項第三号の罪を定める政令)に列挙されています。
一例として、次の犯罪が挙げられます。
・不正競争防止法違反の罪
・詐欺、恐喝、横領等の財産に関する罪
・租税法違反の罪等

3.司法取引の流れ

(1)協議の実施
検察官と被疑者(又は被告人)及び弁護人との間で、合意に向けた協議を行います(同法350条の4)。
検察官は、協議においては、合意を行うか否かの判断を行うため、被疑者(又は被告人)に対して他人の刑事事件についての供述を求めることができます(同法350条の5第1項)。

(2)合意
検察官と被疑者(又は被告人)との間で、以下を内容とする合意をすることになります(同法350条の2第1項)。
なお、合意をするためには、弁護人の同意が必要であり(同350条の3第1項)、合意に至った場合には、その内容を明らかにした書面を作成し、検察官、被疑者(又は被告人)、弁護人が連署しなければなりません(同法350条の3第2項)。
  ①検察官が約束する行為
   ・公訴を提起しないこと
   ・公訴を取り消すこと
   ・特定の訴因及び罰条により公訴を提起し、又はこれを維持すること
   ・特定の訴因又は罰条への変更等をすること
   ・公判において特定の刑を科すべき意見を述べること
   ・即決裁判手続の申し立てをすること
   ・略式命令の請求をすること
  ②被疑者(又は被告人)が約束する行為
   ・取調べにおいて、真実の供述をすること
   ・証人として、真実の供述をすること
   ・証拠の提出、その他必要な協力をすること

4.合意からの離脱

合意した場合であっても、一方当事者は、相手方が合意内容に違反した等一定の事由が生じたときは、その理由を記載した書面によって相手方に告知することにより、合意から離脱することができます(同法350条の10)。
検察官が合意に違反したときは、被告人が協議においてした供述や、合意に基づいてした被告人の行為により得られた証拠は、証拠とすることができなくなります(同法350条の14)。

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