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【カンボジア】カンボジアの労働事情

2018.09.14

労働に関する法制度

カンボジアの労働関連事項を規定しているのは、主に以下の関係規則です。特に重要なものが労働法で、労使間の権利義務関係等を規定するとともに、労働者の集団交渉や組合結成、ストライキ実施の権利を認めています。

  • 憲法
  • 労働法(1997年施行、2007年一部改正)
  • 労働組合法(2016年公布)
  • 労働省令、政令
  • ILO国際労働基準
  • 労働契約書
  • 就業規則

労働市場

カンボジアの人口は約1,576万人(2016年)、そのうち15歳以上65歳未満の生産年齢人口が占める割合は55%を超えます。年齢別人口構成では30歳以下の若年層が全人口の65.3%を占めるため、生産年齢人口は中長期的にも増加の傾向にあります。

労働者の雇用

現地法人、支店、駐在員事務所において、カンボジア人労働者の採用についての制限はなく、最低何人採用しなければならないといった法律上の定めもありません。労働法ではカンボジア人労働者の雇用が奨励されているものの、外国人労働者の雇用も、要件を満たせば幅広く認められています。
企業が雇用できる外国人労働者の割合は、2014年の労働省令で「カンボジア人労働者数の10%以下」と定められてはいますが、労働省で特例許可手続きをとることにより、10%を超えても認められる場合があります。

労働事情

1. 雇用契約

  • 雇用契約は、有期労働契約と無期労働契約の2種類
  • 有期労働契約の要件:①書面による契約であること、②2年以内の契約であること、③契約書に正確な契約開始日と終了日が記載されていること
  • 無期労働契約の要件:契約時に明示ないし黙示的に契約期間を無期とする、契約中に有期労働契約が無期労働契約に変更されることによって成立

 

2. 雇用契約の終了・解雇・退職

  • 6か月以上の有期労働契約の場合:使用者は労働者に対し、契約終了の10日前までに、契約の終了または更新の事前通知を行う必要がある
  • 1年以上の有期労働契約の場合:同様に15日前までに事前通知を行う必要がある
  • 事前通知がない場合:元の契約と同じ期間、もしくは通算契約期間が2年を超える場合には無期契約として更新される
  • 無期労働契約の場合:契約の一方当事者の意思表示(書面での事前通知)によって終了させることが可能。事前通知の期限は継続労働期間によって異なり、6か月未満の場合は7日前まで、5年以上10年未満の場合は2か月前まで、など。
  • 使用者が無期労働契約を終了させる場合(解雇):労働者の技術・資格、態度・適性、使用者の経営上の必要性など、「正当な理由」が必要
  • 労働者の集団的解雇の条件:①労働者代表に対する書面による通知、②専門性が低いセクションの労働者から、その中でも若い労働者から解雇しなければならない

 

3. 退職金

  • 有期労働契約終了時:契約期間中の賃金に比例した退職金を支払う必要がある。労働協約に金額の定めがない場合、契約期間中の賃金総額の5%と規定されている。
  • 無期労働契約終了時:労働法上の規定はなし

 

4. 労働時間

  • 所定労働時間は、一日8時間、1週間48時間を超えてはならない。
  • 1週間に少なくとも一日(24時間)の休みを与える必要がある。
  • 時間外労働:最大一日2時間まで
  • 時間外労働手当:所定賃金の150%
  • 夜間および週休の時間外労働手当:所定賃金の200%
  • 時間外労働時の食事手当:縫製・製靴業に従事する労働者に対しては、食事もしくは2,000リエルの食事代を支給する
  • 夜間勤務(22時~翌朝5時):昼間の勤務の賃金の130%

 

5. 有給休暇

  • 勤続年数1~3年:年18日
  • 同4~6年:年19日
  • 同7~9年:年20日
  • 労働法上、労働者が「有給休暇を取得する権利」を行使できるのは、勤続1年を経過してから。

賃金

賃金には、報酬、残業代、手数料、賞与、補償金、利益分配、現物支給品、家族手当、有給等の代償等を含むと規定されています。
ジェトロの調査によれば、ラオスの首都ビエンチャンにおける賃金は、次のとおりです。

 

製造業(月額、USドル換算)

一般工

エンジニア

課長クラス

121

374

825

非製造業(月額、USドル換算)

一般職

課長クラス

飲食店スタッフ

365

806

98-122

最低賃金は、縫製・製靴業に従事する労働者のみ定められており、2018年1月からは、月額170USドルです。国内約1,000の縫製・製靴工場の労働者約100万人に対し、適用されています。また、縫製・製靴業の労働者に対しては、皆勤手当、年功手当、残業手当の支払いも義務付けられています。

社会保険制度

  • 労働災害保険:保険料は、従業員の平均月給の8%
  • 健康保険:使用者側、労働者側、共に平均月給の3%

 

出典:

日本貿易振興機構(JETRO)「カンボジア 労務マニュアル」https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/02/2017/2f93394708b21d1d/syusei_cambodia_roumu_final201703.pdf

日本貿易振興機構(JETRO)「2017年度 アジア・オセアニア投資関連コスト比較調査(2018年3月)」https://www.jetro.go.jp/world/reports/2018/01/d78a35442e4ce3c0.html 

独立行政法人労働政策研究・研修機構「基礎情報:カンボジア(2017年)」
http://www.jil.go.jp/foreign/basic_information/cambodia/2017/index.html 

 

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